gin1103

日々はあけぼの

スタバ大好き病院勤めの人間。日々の出来事や事件を徒然なるままに書いていくスタイル。Twitter:@gin3011

「あなたが怠惰に過ごした今日は、昨日亡くなった人が何としてでも欲しかった今日」

先日、とある駅で人が倒れたのかAEDを持って奔走する駅員さんを見た。追ってみると予報通り人が倒れていた。初期対応に入ろうと思ったこだが、既に救急隊も到着していたため余計な手出しはしなかった。
無事に救命されたことを祈る。





人が倒れる原因は様々あるが、1番怖いのは心肺停止状態だろう。


院内では、心肺停止を「アレスト」とか「エーシス」とよく言う。
本来もとになる言葉はあるのだが、新人のスタッフは正式名称を知らないのも少なくはない。





病院でも原因不明の突然死は色々ある。ただ可能性においていえばやはり心臓疾患が多いように感じる。

ぽっくり病とか言われる「ブルガタ症候群」というものもある。

そういった不整脈に関しては病院にいって心電図やエコー検査をしないと判明しない。

ちなみに、ブルガタ症候群には特に年齢は関係ないので20代の患者もいる。遺伝性があるのかまでは分からないが、過去に親子でなっている人を見たことがある。



もし道端で心肺停止の人に遭遇したら。。


AED持ってこないと!となる人は多いと思う。


自動車教習所で使い方を指導していたり、街中至る所にあるので案外馴染みがある機器でもあるかもしれない。



AEDで電気ショックを与え、止まった心臓をまた動かす。と思っている人は多い。


が、厳密に言うとAEDには停止した心拍を再開させる機能はない。



AEDは、心臓に起こった「不整脈」を電気ショックで「正常な脈」に戻す機械なのだ。


不整脈の中でも「致死性不整脈」と言われる命に直結するものは大まかに分けて4つ。その内、2つにAEDは対応している。


心室頻拍:VT

心室細動:VF


医療者なら必ず聞いたことがあるはずだ。


この2つの不整脈が起きている間は心臓は動きを止めているわけではない。動いてはいるが、必要な血液を身体中に巡らせる力がない異常な状態にある。
AEDを使うことでその異常を正常に治すことができる。


逆に言えば心臓が止まってしまった原因がVT.VFでないとしたらAEDはまるで意味を持たない。
その状況の人にいくら電気ショックを与えようが心拍再開はありえない。



倒れている原因が何なのか。

病院であれば処置をしながら連携し原因検索を行い、それにあった治療を始める訳だが、路上で機器がない状況でそれを判断するのは難しい。


だがAEDを使えば、


この人が

不整脈で倒れたのか否か」

は判断できる。



それが分かったからといってどうするのか?と思うかもだが、1分1秒を争う場面で少しでも可能性を絞れるというのは後々大きな違いを生む。




ここまでAEDのことを散々言ってきたが、近くにAEDがなかった場合。誰にでもできる道端で心肺停止の人に遭遇した時に行える行動は


胸骨圧迫。心臓マッサージだ。


心臓が止まった原因がわからなくても、とりあえず外部から圧迫することで強制的に血液を送り出す。


「心臓マッサージしたら肋骨折れるんですよね?大丈夫なんですか。。?」


新人のスタッフから高確率で言われることだ。

確かに胸骨を押す時、骨の折れる感覚が両手をなぞって身体に伝わる。それに対して自分が言うことは決まっている。


「肋骨折れるのと死ぬのどっちがいい?」


肋骨が折れても1カ月もすれば大体くっつく。
死んでしまったら元も子もない。


如何に早く心臓マッサージを開始できるかが生死の分かれ目になることが多い。躊躇わず本気で胸を押してほしい。


心臓マッサージ中に痛みで目覚める人もいる。

そしたら

「起きた!あーよかった!」

これでいいのだ。
反応があるのは生きている証拠だから。


ベテラン新人関係なく、医療者でも実際に人間相手に心臓マッサージしたことない、という人は多い。
だが、したことがなくても対応を知って頭でシミュレーションすることが大事になる。


人間、明日どうなるのか分からない。

もしかしたら死ぬかもしれないし

交通事故を目撃するかもしれないし

自分の目の前の人が突如倒れるかもしれない。


きっと

今日死ぬはずじゃなかった

と思って亡くなっていく人はごまんといる。

それくらい生と死の境界線は曖昧だ。

それこそ電車のホームの黄色い線で区分されるくらいに生と死は隣り合わせにある。



「あなたが怠惰に過ごした今日は、昨日亡くなった人が何としてでも欲しかった今日」



こんな言葉もある。
1日を元気に迎えられることの幸せを改めて感じながら今日を始めようと思う。


ではでは:)